木製小屋は何年使えるか?耐久性に影響するのは…

木製小屋は何年使えるか?耐久性に影響するのは… 小屋を作る
小屋検討中
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木製小屋の耐用年数は何年くらいですか?

この質問をよくいただきます。

木造建物は腐りやすい印象があるのでしょうね…

「多少腐っていても使えれば良い」という人もいて、小屋耐用年数の定義は人それぞれですね。

概ね10年以上は小屋としての機能が果たせると思います。

住宅だとフラット35など長期ローンが組まれる関係で、建物の構造強度や耐久性基準を細かく規定しています。

長年の住宅ローン返済中に住めなくなったり、使用できなくなったりしないようにしています。

しかし、DIYでセルフビルドの木製小屋において、そんな規定はありません。

耐久性はどんなことが影響するのでしょうか?

10年以上は問題なく、あとはメンテナンス頻度が…

使用やリフォーム頻度による

冒頭の「何年もつのか?」という質問の回答には、「10年は大丈夫です!」とお答えしてます。

これまでの販売済みキットハウス小屋の使用状況を見ても、数年で使えなくなった事例がひとつもありません。

それも、ほとんどメンテナンスやリフォームしていない放置された木製小屋でも、10年は問題なく床・壁・屋根が完成時と同じように現存しています。

雨漏りとシロアリの食害が無ければ、10年以上は小屋の形状維持が可能だと思います。

重要な防腐塗装

塗料の防腐効果は2年程度と短いのでこまめに再塗装

毎週のように小屋を使っていたり、清掃や再塗装をこまめにすると耐久性が伸びるでしょう。

木部はシロアリなどの虫害や、腐朽菌やカビによる劣化が懸念されます。

それらに対抗するには、経年により低下する防腐効果を持続させることです。

メンテナンス(再塗装)の頻度が木製小屋の耐久性に大きく影響を与えます。

塗料の防腐効果持続は2年くらいと短いです。

1年に一度程度の再塗装をしていて、10年経っても新築と変わらないような外観の小屋もあります。

雨漏りがシロアリを呼ぶ?

「カビ発生→腐朽菌が集まる→シロアリが群がる」この連鎖を断ち切ることが大切

屋根まわりや軒先などは、「降雨で濡れて、日差しで乾燥」を繰り返します。

資材の劣化が最も進みやすい箇所と認識しておいてください。

降雨で濡れる箇所に雨漏りがあると、カビの発生が懸念されます。

カビ発生→腐朽菌が集まる→シロアリが群がる

木部腐朽の負の連鎖がはじまりシロアリが来ると耐久性が一気に下がるので、雨漏りには細心の注意を払ってください。

不適切設計だと積雪や風圧の外力で倒壊?

建物の構造強度は理解が必要

ただし、必要な構造強度を保持せずに建てた小屋なら、強風や積雪ですぐに倒壊してしまう恐れがあります。

バラバラになってしまった小屋は使えないわけで、建物の構造強度には注意しましょう。

倒壊を防ぐには耐力壁の面積やビス釘の強度や間隔、筋交いや火打ちなどを設置するなど少しの設計ノウハウが必要です。

立地条件による木部腐朽菌の数

地面がアスファルトなら水はけがよく、乾燥が早いので腐朽菌が住み着きにくい環境です。

土壌にはたくさんの菌や微生物が生息し、木部を食害するものも含まれます。

砂や砂利を敷くだけでも菌や微生物を遠ざける効果があります。

山林や乾きにくい土地に注意

山林内は市街地とは異なり腐朽菌の種類や数が多い。

市街地の住宅地とは違い農地や山林などでは腐朽菌や虫害を受けやすくなります。

日陰や湿地、山奥などでは腐朽菌の数や種類が多くて活動も活発です。

雨後に乾きにくい土地や泥炭地にも、腐朽菌や虫が多く生息します。

落ち葉がたくさん積もる場所や枝条が積み上がっている場所には、多くの微生物が生息しています。

そのような場所に小屋を作るときは、リフォームやメンテナンスをよりキメ細かくする必要があります。

小屋でもシロアリ対策が大切

木部の食害といえば何といってもシロアリの存在が最も脅威です。

中古住宅においてもシロアリと雨漏りは重大瑕疵です。

腐朽菌の付着だけなら何とか躯体を一定期間維持できますが、シロアリの食害がはじまるとあっという間に木部は強度を失います。

早期発見のために点検が大切

シロアリは木材が腐朽した箇所から食害することが多いようです。
床下や基礎の点検

腐朽が始まっていないか?シロアリがいないか?床下や基礎の点検をしましょう。

風通しをよくしたり、防腐剤をこまめに塗って、それらが居つきにくい環境を作りましょう。

シロアリは木材が腐朽した箇所から食害することが多いです。

木部を腐らせないことがシロアリ対策になります。

軒下部や床廻りなど普段は見えにくい箇所の点検で、早期発見し対処することが大切です。

シロアリを発見したら

点検で蟻道などシロアリ生息の疑いを持ったら、すぐに駆除を開始してください。

ホームセンター等で手に入るシロアリ防除剤で十分なので、使用方法に従い駆除します。

市販されてる駆除剤の効果持続は、実効で長くても半年から1年程度です。

生態がいまだ未解明な部分が多いシロアリの食害を防ぐには、こまめな駆除を続けるしかありません。

水濡れ部分に注意

条件によりますが最初に腐朽が始まるのは、乾燥と湿潤を繰り返す軒先や軒下床付近です。

いつも濡れる部分に注意をしましょう。

腐朽菌の活動には水分が不可欠で、常に供給されるのは木部を腐らせるのに好都合です。

屋根や軒下が降雨で濡れやすいので、こまめに点検してください。

平屋でも雨水の跳ね返りに注意

雨水のはね返りを抑えるための雨どいは効果があります。
効果ある雨どい

雨水のはね返りを抑える雨どいは、確かに木部の防腐効果があります。

軒からの雨水の跳ね返りで、壁の下部が泥で汚れたりすると建物に悪影響です。

雨水の跳ね返りを抑えるには下記の方法があります。

  • 基礎を高くする
  • 犬走り(※)に砂利を敷く
  • 雨どいを取り付ける

※犬走りとは建物周囲の幅、数十cm程度をいいます。

雨どいと砂利敷きで

外部のサイディング下段は泥はねで汚れることが多い。

小屋の外壁下段は泥はねで汚れていることが多いです。

木部が濡れないように、濡れても乾きやすいように雨どいを取り付けた方が良いでしょう。

地面には砂利を敷き、菌や微生物を小屋から遠ざけるようにすべきです。

地面に近い部分は防腐

住宅設計においても地盤から1m以下の部分に防腐処理しなければなりません。

木造住宅の設計指針では地盤から1m以下の部分に防腐処理しなければなりません。

薬剤処理に限定してませんが樹種や資材、見合う工法により防腐性を確保しなければなりません。

住宅であっても地面から近い木部は腐朽しやすいのです。

小屋も地面に近い部分は腐りやすいので、しっかり検討しましょう。

日陰になるところも注意

北側の軒先や壁面がいつも日陰になる場所は、腐朽菌の住みかとなりやすいので注意してください。

乾燥しにくいと水分が滞留し、腐朽菌が居続けることになります。

湿気が多いとカビの発生にも注意しなければなりません。

日陰になる木部は他の場所よりも念入りに清掃や再塗装等のメンテナンスを心がけましょう。

使うコーススレッドで影響も

錆によりコーススレッド周辺が黒く変色してきたら要注意

釘やコーススレッドを打ち込んだ周辺から腐朽が始まることがあります。

穴の部分が収縮して広がり水が溜まりやすくなることで、そこに腐朽菌が生息すると考えられてます。

釘の錆により周辺が黒く変色してきたら点検してください。

しっかり打ち込もう

コーススレッドの打ち込み不足や釘が曲がっていると、木部乾燥収縮により釘穴が大きくなりやすいです。

打ち込みすぎて木材が割れるのも雨水が入り込みやすくなるのでダメですね。

斜めに打ち込むと穴との隙間を埋めにくくなります。

釘穴を隙間なくするために、コーススレッドや釘はまっすぐに最後まで打ち込みましょう。

まとめ、倒壊とシロアリに注意すれば長持ちする

長持ちさせるためにも積雪地は荷重に注意して柱や壁面積に配慮し、風圧にも耐えられるようにしましょう。

倒壊しない強度があり、雨漏りしないで周辺にシロアリがいなければ、小屋は10年以上使用できるでしょう。

強風対策としては基礎との結束や、小屋高さと床面積の比率を確認しましょう。

風圧に安定しているか確認が大切です。

積雪地は荷重に注意して柱や壁面積に配慮しなければなりません。

そして、小屋の耐久性で最も大切なのはシロアリ対策です。

点検しやすいような基礎設計を

もぐってシロアリ点検しやすいように、床下スペースは40cm以上にするとよいです。

完全な駆除ができないシロアリには、遠ざけたりこまめな駆除しかありません。

小屋周辺を整理して砂利を敷き、腐朽菌が住みにくい環境にしてシロアリをできるだけ遠ざけます。

もぐって点検しやすいように床下スペースを40cm以上にするとよいでしょう。

ご紹介した倒壊可能性やシロアリの影響があるので、簡単に「小屋は何年もちます…」とは言えません。

DIY小屋で20年以上使っているものもたくさんあります。

気を付ければ木製小屋は意外と長持ちします。

設計とシロアリに注意だけはしてください。

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