小屋を建てた後のメンテナンスは「塗り直し」に尽きると言えます。
特殊な建材を除き、一般的な住宅も外壁の塗装は10年ほどで施工すべきなのです。
無垢の木板であることが多い小屋では短いスパンで塗装の塗り直しをすることが長持ちの秘訣です。
木材を腐らせ劣化させる外敵
木製小屋を建てる時に一番気になる「何年もつのか?」PANELHOUSEを販売している時にも一番多い質問でした。
メンテナンス次第で木材耐久性の長短が大きく変わります。
木材の劣化を促す「外敵」はさまざまあり、これらの活動を抑制することが防腐のポイントです。
木材を腐らせる腐朽菌やカビ
木材の栄養と水分が好物の生物は、木部が絶好のエサ場です。
カビ類は常に木部に付着していて、条件が揃うとあっという間に増えてしまいます。
木部が黒くなる黒カビやキノコ類がそれです。
高温多湿が活動活発になり梅雨時などは注意です。
キクイムシなどの木材食害虫

昆虫の幼虫やキクイムシ、スズメバチも朽木を食べます。
木材害虫は健全な状態の木材よりも前記の腐朽菌の被害にあった木部に入り込みます。
これらの食害は木材内部からはじまるので被害に気付きにくく、発見時にはかなり食害が進んでいたりします。
雨風、日光による風化

風雨や吹雪が吹き付ける塗装面は、塗料がはがれやすく劣化が早まります。
砂ぼこりも摩擦により塗膜を痛めつけ剥がします。
直射日光の紫外線は木材成分を変化させ、色合いを変えたり木材を痩せさせます。
藻やツル

スチール等に比べて木部は表面温度の変化が緩やかで、周辺の草木に寄生されることもあります。
木材のみに生える藻類もあり、放置しておくと増えていくことが多いです。
ツルも生えてくることもあり、再塗装時には点検し駆除することをおすすめします。
シロアリ対策は再塗装だけではムリ

シロアリ予防効果を含んだ塗料もありますが、通常の木部塗料で対策するのでは足りません。
シロアリ専用の防腐剤でも効果が完全ではなく、かつ効果持続が2~3年が限界です。
シロアリ対策は早期発見駆除が最新の対処法で、日常の点検がシロアリ対策とし、塗装の塗り直しとは分けて考えましょう。
木製小屋を塗り直しする効果
防腐防カビ効果がある塗料はカビや腐朽菌の繁殖を防ぎ、腐朽がはじまらなければ木材を食害する生物の侵入もされにくくなり食害を受けにくくなります。
また、塗膜は紫外線からも守ってくれて木部劣化を防ぎ変色がすすみにくくなります。
風雨や砂ぼこりからの傷つきも予防され、木材の汚れも目立たなくしてくれます。
清掃だけでも効果アリ
塗装作業は準備も必要で計画しないといけません。
点検の時に汚れに気づいたら拭いたり掃いたりして掃除しましょう。
これだけでも木材腐朽菌の繁殖を取り除き排除でき、害虫の数を大幅に減らすことができます。
人が住まなくなった家屋は傷みやすいというのは清掃と関係があるのかもしれません。
換気しましょう
新鮮な空気を取り入れることで腐朽菌を減らしたり除湿できます。
滞留する空気には胞子や菌の栄養素も多く含まれてて、換気してそれらを除きましょう。
水たまりに注意
小屋の近くに水たまりがあると腐朽菌や害虫が繁殖しやすくなります。
菌の活動源となる水と栄養素から木製小屋を遠ざけるようにしましょう。
塗り直し時期の判断ポイント
塗装するかどうかの判断はこんな状況になったら検討しましょう。
- 色の変色退色がある
- 塗膜がはがれたりひび割れしてきた
- カビが生えてきた
- 水をはじかず、塗装のツヤ感光沢感がなくなった
1回目の塗り直し時期は、完成後2年以内の早い時期に再塗装することをおすすめします。
2度3度と塗り直し回数を重ねることで耐久性向上が期待できますが、最初の時期は塗膜劣化が早いこともあり早めに実施しましょう。
塗り直し時期でダメなのは冬季
いつでも塗り直し作業はできますが、あえて避けたいのは寒い冬季です。
気温が低いと塗料がドロッとかたくなり塗装作業に影響がでます。
塗料の種類やメーカーにもよりますが、多くの塗料は気温5度以下となる時には作業を推奨してません。
真夏も暑くて作業に支障がでるので春や秋が良いのではないでしょうか?
再塗装すれば見違えるように

コツコツ塗装作業して完了すると、色を塗るだけで大きくイメージが変わります。
塗装面が大きい小屋の外壁は、その影響が大きくガーデニングや庭の印象が変わったりします。
木部塗装の目的は防腐や木材の劣化を防ぐことですが、塗り直しの再塗装はイメージを一新する効果もあります。
はじめての人でもできます!

塗り直し作業は、誰でもできます。
コツはゆっくり丁寧に作業することで、はじめてやる方でも問題ありません。
塗りにくい場所からはじめて、高所など危険なところの作業は、足場を作り安全対策するか経験者が作業しましょう。
色設計でカラーを楽しむ
色調を変えたり、多色にしてみるのも楽しみの一つです。
細かい部分だけを違う色にすることで、ちょっと雰囲気が変わったりします。
防腐目的の再塗装作業も色の調和を事前に考えて準備し、カラーリングを楽しんでみるのも良いと思います。
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