「ここなら景色がいいから…」「ここが建てやすいから…」とDIYで小屋を建てようと考えている方は、ワクワク感が先にたち安易に位置を決めてしまいがちです。
小屋を建ててしまってから「こうしておけば…」ということも多く聞かれました。
セルフビルドで小屋を建てる方のために、建てる前に考えておくべきことを整理しておきます。
敷地境界

建てる敷地には必ず隣地との境界線があります。
越境問題は隣地との関係悪化やトラブルにつながりますので慎重に計画する必要があります。
屋根が越境していないか?
さすがに基礎が越境していることはないですが、空中で隣地境界線を超えていないか注意が必要です。
外壁にばかり気をとられていて軒出しの寸法を忘れていて、屋根の軒先や庇が空中で隣の敷地に飛び出し越境していることが考えられます。
また、近くに植木や樹木等があるときは、完成後の屋根軒先をよく考えて建てる位置を検討しましょう。

見た目には屋根は越境してないように見えます。実際に計測してみると越境してたり、ギリギリだったりします。
隣地への雪や雨にも注意

雪が降る地域では隣地へ落雪することもあります。
片流れの屋根だと隣地へ雨水を流してしまう恐れもあります。
トタン屋根の物置を設置した方は「雨音がうるさい」と隣地からクレームがきたという話もありました。
ドアや窓を開けたとき
ドアや窓を隣地境界線に沿って取り付けるときは、開閉時のことを考えて設置しましょう。
スペースが無くて窓が開けれないなんてことが考えられます。
また、ドアや掃き出し窓などの出入り口を設置するときは、段差も含めて出入りがしやすいかどうかの検討も必要です。
再塗装や補修は可能か?
塗り直しなどのメンテナンスも考えなければなりません。
外壁から隣地境界線までの距離は、最低でも50cmないと塗装作業ができません。
それぐらいの作業スペースがないと人が入れず塗り直すことができません。
メンテナンスの再塗装や壁を直したりするときの補修はしやすいか考えておきましょう。
木製はメンテナンスがとても大事なので、しやすいように設置することが重要です。

隣地境界線に沿って小屋を建てる時の外壁から境界までの距離の目安は、50cm~1mくらいです。
地盤
小屋でも建物にとってその真下の地盤状況はとても大切なことです。
水たまりができやすかったり、霜柱ができたり、盛土の土地などは注意が必要です。
畑の中の小屋
田畑の中に小屋を建てるときは基礎が沈下するので注意しなければなりません。
畑の土壌は柔らかく空気を多く含んでいます。
ゆっくりと沈下するので建築後3年~5年は注意して点検する必要があります。
水はけが悪い場所
建物の真下の水はけが悪いと基礎の沈下や霜柱の凍上もあり得ます。
霜柱ができる土壌ですと、ブロック基礎を1cm以上持ち上げられることもあります。
小屋の構造を狂わせる原因になり、ドアや窓が開きにくくなったりします。
建物にとって湿気は良くないことからも建てる場所は周囲の土地よりも高くするようにして、小屋の下の水はけを良くする工夫が必要です。

掘っても水が出てくる場所は避けたいですが、砂や砂利で土壌改良したり盛土や基礎を高くしたりしましょう。
方位、方角

南向きの窓は日の光が当たりやすく室内が温かくなることが考えられます。
南向きだからといって必ずしも景色が良いとは限りませんが、小屋を建てる前に日差しがある方位方角を意識する必要があります。
西向きに窓や開口部を設けると西日の影響を受けて、室内が熱くなりやすく注意が必要です。
断熱効果を上げた仕様の小屋だと真夏の夕方はかなりの室温上昇が考えられます。
風向きも考える
ドアや窓換気後の歩行は風向きも考えましょう。
北風は冬に冷たく南風は夏にふきます。
強風地ではドアの開閉に注意を払わなければならないですし、積雪地では風向きで雪の吹き溜まり方が変わります。
除雪がしやすいように敷地の利用方法も考えておかなければなりません。
木陰では

森林の中で小屋を建てる時はいつも日陰になっている場所もあり、カビや藻類が繁殖しやすく注意しましょう。
そのようなところでは湿気対策も必要で、防腐のために塗り直しの頻度も上げる必要があります。
木陰は虫類が集まりやすく害虫も多くなるので要注意です。
意外と小枝や落ち葉が屋根の上に降り積もりますので、定期的に屋根の清掃もしなければなりません。
建てた後のことも…
小屋であっても建てたからには数年や数十年使っていくことになります。
将来的にどうするかも含めて小屋を建てる前に検討しましょう。
ライフラインをどうするのか?
小屋の完成後に水道をひいたり電気をひいたりするときに、水道の本管から遠いと引き込み工事が高額になります。
枝管が長いとメンテナンスも大変になるので水道の事は必ず考えましょう。

電気よりも水道工事は高額です。数百万円になることもあるので必ず考えましょう。
小屋の高さ
木屋を設置する床面の高さにも注意が必要です。
将来的にウッドデッキを取り付けたり、増改築を考えていく場合は床面の高さが重要になります。
床面は簡単に変えることができないので建てる前によく検討しましょう。
床面は低すぎると床下の通風性が失われ湿気が溜まりやすくかびや虫害にあいやすくなります。
高すぎると室内の出入りに高低差が生じ、上り下りが大変になります
まとめ
外壁サイズだと思ったよりも境界に接ししてしまうことが多いので、小屋を建てるときに位置を決めるときは屋根のサイズで検討してください。
面を意識しておかないと小屋がイメージと違う方向を向いてしまうことになりかねませんので、小屋の向きを決めるときは前面や後面のどこかの一面を基準にしてください。
水道の引き込みは高額になるので将来的に少しでも水道使用の可能性があるなら、本管の位置や費用を調べておきましょう。
土壌からの湿気や水分は思いのほか多量ですので、床面の高さは高めに設定することをおすすめします。
コメント