地震に対する小屋の設計

地震は、縦揺れと横揺れがありますが、小屋にかかる力は主に横揺れだけを考えます。 DIYの前に

小屋を建てる時に地震の心配をされる方から質問をいただきます。

日本はもちろん、台湾でも地震を心配される方が多いです。

建物の構造計算は難しそうですが、計算の目的を知ればその意味を納得できます。

地震は、縦揺れと横揺れがありますが、小屋にかかる力は主に横揺れだけを考えます。

揺れのチカラは横方向(水平)

揺れのチカラは横方向(水平)
引用:JSDA

地震が建物に破壊の影響を及ぼすのは、縦揺れよりも横方向(水平)に揺れる時です。

横揺れは、建物が高くて重く、重心が高いほど破壊力が増大します。

建物の高さで…

小屋は平屋が多いですが、木造は二階建てが主流です。

一階平屋の地震のせん断係数が0.2で、二階部分は0.28です。

これは木造建物が高い分、地震の横揺れのチカラが影響するということです。

建物全体の重さが影響?

さまざまな条件がありますが、地震力を考える時に先ほどのせん断係数と建物重量を掛け算して計算します。

地震力=地震のせん断係数×建物重量

この計算で、二階三階と高くて瓦など重たい建物は、地震に弱いということになります。

軟弱地盤では1.5倍

さらに地盤が弱い場所では、求めた地震力に1.5倍をかけて数値を求めます。

地盤が弱いと建物にも1.5倍のチカラがかかるということです。

ツーバイフォー構法の場合は、壁の必要面積も1.5倍になり、窓やドアなどの開口部の面積に制限がでます。

地盤は主に地耐力が使われますが、地震の場合は崩落や地割れ液状化の可能性もあり、多方面からの地盤の検討が必要です。

小屋で注意する地震対策

小屋を作ろうと設計するときに、地震対策として考えておきたい点を整理しておきます。

窓やドアの開口部面積が大きい時は注意

窓の開口部面積が大きい時は注意しよう。
地震には窓の面積に注意

たくさんの窓を取り付けたり、掃き出し窓などの面積が大きい窓やドアがある時は、耐震力に注意する必要があります。

東西南北の四面の壁面積量を計算して、足りないときは、まぐさや筋交い、ブレスなど耐震補強しましょう。

壁面積が足りないときは、まぐさや筋交い、ブレスなど耐震補強しましょう。

壁の偏りに注意

耐力壁をつりあい良く配置しないと安全が確保できません。
同じ壁量でも配置によってバランスの良し悪しが…

建物の壁配置が偏っていると「ねじれ」で局部的にチカラがかかり破壊が生じます。

PANELHOUSEでは四隅に一定の壁を必ず配置してバランスを保ちました。

窓やドアを考えて、耐力壁をつりあい良く配置しないと安全が確保できません。

また、壁線間距離を12m以下、耐力壁線で囲まれる面積を40㎡以下としなければなりません。(補強した時を除く)

PANELHOUSEでは四隅に一定の壁を必ず配置してバランスを保ちました。
四隅に一定幅の壁を配置

屋根が重いと重心が高くなる

瓦など重い屋根材自体も落下の危険性が高まります。
瓦は重い屋根材

高い部分が重いと重心が高い位置に移動します。

横揺れは重心が高いと影響を受けやすくなり、躯体を大きく変形させる力が加わり壁や柱を破壊します。

瓦など重い屋根材を使うときは躯体耐震力に注意し、瓦自体の落下の危険性もあります。

地震対策の上では軽い屋根材を選びたいところです。

使う釘の種類や打ち込む間隔

水平の横揺れにそなえ、床、屋根を張るときの「ちどり配置」や使用釘の適切な使い方も重要です。

釘の径や長さ、打ち込む間隔も指定や制限されていて、水平方向の揺れに対抗しなければなりません。

DIYで使われるコーススレッドは引き抜きには強い応力がありますが、「折れ」に弱く、径が3.3mmのスリムコーススレッドは意外とあっさり折れます。

ブロック基礎で免震になることも

震度5弱の基礎ブロック

北海道胆振東部地震の時に被災した小屋は、基礎ブロックからズレ落ちました。

小屋建物は構造上無傷で基礎ブロックに乗せ直すだけで補修が終わりました。

古い日本建築の束石と同様の免震構造だったといえるのではないでしょうか?

まとめ、農地にも注意

小屋を農地に建てる方が多いのですが、耕された農地などの軟弱地盤では建物が安定しません。
農地に注意

小屋のように小さな建物は、一階建ての平屋がほとんどで、建物総重量が軽いので地震の影響を受けにくいです。

正直言いまして、無駄な梁や太い柱など耐震に無駄なDIY補強を目にしてきました。

小屋にかかる地震のチカラを知っておくと、合理的な設計とセルフビルドにより効果的な小屋作りができます。

小屋を農地に建てる方が多いのですが、耕された農地などの軟弱地盤では建物が安定しません。

地下水が通っていたり水はけが悪い場所も多く、ぬかるんでいたりしますので、排水を考えた地盤改良も検討しなければなりません。

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