バイクガレージ小屋とか庭の工房をセルフビルドしようと計画する時に、換気のことを忘れずに検討しましょう。
排気ガスや、作業工房で出たダストの排出に換気が必要です。
断熱とも深いかかわりがある建物の換気について、把握しておきましょう。
換気は汚染空気と水蒸気の排出が目的

事故が多い一酸化炭素中毒の原因となる一酸化炭素や、悪臭粉塵等の汚染空気を室内から排出させ、新鮮な空気を取り入れることを目的としてます。
それと、水蒸気を排出して室内の湿度をコントロールすることもあります。
換気を計画しよう
一日に人体から1リットルの水分が発生し、煮炊きしたり選択したりするとそれ以上になります。
鍋パーティですと、たった1時間で1リットル以上の水蒸気が室内に放出されます。
大量に放出された水蒸気は、窓や壁が冷たいと結露になり、内部結露でカビが発生し木造建物の腐朽を促進させます。
喫煙したり大人数になると急速に空気が汚染されていきます。
ガレージでは排気ガスはもちろん、オイルや揮発性気体の発生もあります。
窓を開けたりして一時的な換気も有効ですが、常時空気を入れ替える換気は重要です。
換気するときの空気量はどれくらい?
換気を設計するときに必要なのが、換気回数と呼ばれる目安です。
換気回数とは1時間あたりに小屋内の空気が、何回入れ替わるかの単位です。
機密性が高い建物だと、ほとんど空気が動かずに汚染されていきます。
法令での居室の換気回数は、0.5回/h以上とされています。
機械換気と自然換気
換気は下記の四種類に分類されます。
- 第1種換気:強制的に給気排気し圧力差がほぼ無い
- 第2種換気:強制給気で室内が正圧になる
- 第3種換気:強制排気で室内が負圧になる
- 第4種換気:自然換気で室内外の温度差で生じる気圧差を換気に利用する
機械換気

このうち第1~3種の強制換気とは、機械換気のことで換気扇などをいいます。
第2種の正圧になる換気は、木造建物の居室で使われることはありません。
小屋や木造建物に使われやすいのは、負圧になる第3種換気で、室内面積が小さい時はトイレや浴室の換気を利用して第3種換気とします。
トイレや台所では個別換気を
小屋にトイレや台所、浴室を設置する時は、個別に換気を設ける必要があります。
悪臭や水蒸気、煙など一時的に大量に発生するときは、個別に換気扇を計画する必要があります。
自然換気
自然換気とは、窓を開けたりエネルギーを使わない換気口から、気圧差・温度差・風力を利用する換気をさします。
パッシブ換気はエネルギーを使わない

第4種の自然換気でも設計段階から計画的に自然換気を利用するため、換気口の配置や空気経路を考えて、基礎や屋根まわりまで建物一体を換気計画するパッシブ換気もあります。
パッシブ換気の一例としては、床下の冷たい空気を全室内くまなく循環させて、最終的に屋根から排出するように換気計画するものです。
要するに設計時から自然換気を積極的に考える換気方法です。
換気の排気量
住宅で目にする換気扇の排気量は、どれくらいなのでしょうか?
- レンジフード(台所換気扇):500~600
- 24時間換気扇や浴室:120~150
- トイレ換気扇:60~80
単位は(㎥/h)です。
台所の換気扇は、トイレの10倍も排出量があるとは驚きですが、それだけ室内の調理は一酸化炭素や臭気、水蒸気が発生するということですね。
まとめ

換気は、断熱や結露対策にも大きな影響を与えます。
小屋を建てる時に忘れがちな換気計画は、設計する時から窓配置や断熱とともに計画しましょう。
一酸化炭素中毒による事故は、死亡事故につながります。
暖房や調理には、換気が絶対必要と覚えておいてください。
換気を積極的に考えよう
換気計画により、空気の循環があって温度湿度をコントロールできている室内は、とても快適で居心地が良いです。
寒冷地では換気で失われる室温を、熱交換機で補う方法もあります。
冷房暖房、窓、断熱、地域条件など、換気は複合的に考えて設計しなくてはなりません。
簡単ではありませんが、小屋建物の設計において換気は重要なので、忘れずに積極的に考えましょう。
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