タイニーハウスや週末別荘、小屋暮らしを計画するにあたり、最初に生活のためのインフラについて何が重要かを整理しましょう。
「完成したけれど小屋でやりたいことができない!」なんて事をよくお聞きしました。
「えっ!」と思いますが、小屋作りには意外と見落としがちなことも多いです。
設計する前に完成後の想像をすることで小屋計画がはじまります。
小屋を作る前に考えるべき順位
セルフビルドで小屋を作るのは、構想がカタチになっていくので作るときが楽しくて面白いです。
でも、完成した小屋が使いにくいのでは、せっかくかけた時間と労力の価値を半減します。
小屋を建てる前に優先して検討すべき順をランキング形式で紹介します。
第1位:トイレ

セルフビルドで小屋を建てるときにも必要と言えるトイレ。
なんといっても、ダントツ一位はまずコレです!
私たちもPANELHOUSEの日帰りの組み立て施工に行くときは、トイレの確保が最優先でいつも心配しでした。

1泊や2泊程度でしたら携帯用や簡易設置型のトイレでもいいかもしれません。
登山や災害用の携帯トイレも種類が豊富で高機能な商品もたくさん発売されてます。
近年注目のバイオトイレは2~3人でしたら問題なく使用できます。
一度に大勢が使えませんが管理が楽で衛生的で小屋暮らしに向いてます。
工事現場にある仮設トイレも安価で良いですが、夏の「におい」の消臭力はバイオトイレが優れており、使ってみるととても衛生的に感じます。
第2位:暖房、加熱

寒い冬の暖房は、換気不要で火気の心配が少ない電気式ヒーターがおすすめ。
小屋の断熱レベルを上げれば低コストの暖房機器でOKですがソーラーパワーでは足りません。
家庭用発電機は1200Wもあり4サイクルエンジンは静音です。
燃料は混合油ではなくガソリンなので手軽ですが、ケーブル長さ等で力率ロスもあるので余力を考えて選定を。
当然ですが、発電機は室内で使用できません。
第3位:水

小屋暮らしでは飲用以外に、洗い物、掃除、除草、再塗装など多くの水が必要です。
30リットルタンクなら2泊くらいは大丈夫でしょう。
2個用意し自宅非常用と別荘用で、行くたびに入れ替えると効率が良いです。
ただし、日常生活で一人当たり200リットル以上の水を使っていると言われていて、実はかなり多くの水を使っており、飲用は一日わずか3リットル程度という事も意識しておいてください。
第4位:照明、スマホやPC充電

ソーラー発電の場合、初期設備費6万円で50W、10万円で150W程の発電機キットが販売されてます。
ランニングコスト無料のちょっとした電気ですが、スマホやPCの充電やLED照明、扇風機など重宝し、季節によっては発電機を使わないでエコに。
ヒーターや電気ポット、ドライヤーは、1000W級の電気が必要なので電力不足です。
10万円の初期投資はイタいですがずっと無料で使えるのは便利で、充電の心配がなくなるのは小屋暮らしで精神的におちつきます。
第5位:飲食品保管

夏の2泊以上だと食品管理で冷蔵か保冷庫が必要です。
肉魚の常温保管は危険で思ったりあっという間に腐敗がはじまり、食中毒になると医療体制が脆弱な農村では大変なことになります。
小屋暮らしでは、ホントに冷蔵庫のありがたみを感じます。
農村の良さであるせっかくの新鮮食材をおいしく食べたり、持ち帰るには必要です。
エコな小型冷蔵庫だと200W程のものもあり、保冷庫だと100W程で保温も可能でソーラー電力でまかなえるタイプもあります。
コストが膨大になるお風呂や水洗トイレ
お風呂を設置するとなると、上下水道管整備とボイラーで電気契約が必要です。
コストが大きくなり維持管理費もかさみます。
汚水桝や浄化槽を使うにも数十万円のコストはかかります。
それらは常にメンテナンスが必要で使用しない期間があると、故障修理のリスクも出てきます。
温水機能が必要なウォシュレット水洗トイレも同様で、この設備費用が厄介ですぐに100万円以上になります。
決めておこう、この2つ
水道、電気のライフライン整備を考える時に、小屋暮らしでほしいのはどこまでか決めなくてはなりません。
大きな選択になるのがトイレと風呂です。
- 水洗トイレも風呂も要らない。
- 水洗トイレは欲しいが風呂は要らない。
- 水洗トイレも風呂も必要。
これらを決めると、上下水の整備、ボイラーの設置などの有無が決まり、設計時に予算が変わります。
田舎暮らし用別荘の中古物件も同じですが、小屋暮らし計画において、維持管理も念頭に置いて、お風呂とトイレは慎重に検討しましょう。