物置小屋の税金

物置小屋の税金について 法律税金

時々、こんな質問をいただきます。

小さい物置小屋なら固定資産税はかからないのでは?

物置のように建物が小さくても、基準を満たせば原則的に固定資産税を納税しなければなりません。

また「建築確認申請をしなければ税金はかからない…。」なんていうことはありません。

税金と建築確認申請を混同している方が多いです。

建築確認申請は地域環境保全と防火や災害に備えた建築のルールです。

これと税金は分けて考えなければなりません。

小さい小屋であれば多額の納税額にはなりません。

結果的に課税が免除される条件の小屋もあります。

DIYする上で税金の知識として覚えておきたいものですね。

課税基準は3要件

不動産登記規則第111条の「外気分断性」「土地への定着性」「用途性」の3要件を満たすと課税対象になります。

固定資産税は土地や償却資産、家屋に課税されます。

不動産登記規則第111条の

  • 外気分断性
  • 土地への定着性
  • 用途性

の3要件を満たすと課税対象になります。

外気分断性が有れば、ほぼ用途性有り

「外気分断性」とは、三方向以上の周壁と屋根があることです。

「用途性」とは、居住や作業など又は倉庫のような貯蔵建物として使えるかどうかです。

つまり、「外気分断性あり」の場合は、ほぼ自動的に建物と解釈できて「用途性あり」なのです。

土地への定着性とは?

物置小屋への課税は「土地への定着性」がポイントになります。
土地への定着性がポイント

「土地への定着性」は簡単に移設できるブロック置きではなく、土地に永続して定着しているかです。

物置小屋への課税は「土地への定着性」がポイントになります。

多くの市町村では、ブロック置きなのか?布基礎(べた基礎)なのか?によって固定資産税の課税対象になるかを判断しているようです。

「ブロック基礎でも簡単に動かせなければ定着性がある」と解釈されることもあります。

このあたりは市町村により見解が異なり、建てる地域の役所に事前に相談すべきです。

トレーラーハウスは?

トレーラーハウスの課税取り扱いも、地域により異なる見解を聞いたことがあります。

トレーラーハウスの課税取り扱いは自治体により異なる見解を聞きます。

車両なのか、建築物なのかの判断で取り扱いが変わるようです。

サイズや重量、整備状態により道路交通法上、公道を通行できない状態のトレーラーハウスは、自動的に建築物とみなされます。

地面に固定されていたり上下水の配管や電線をつないでいたら、車両とみなされないことがほとんどです。

建築物として取り扱われ課税対象となります。

ツリーハウスは?

ツリーハウスに固定資産税がかかるかどうかも、自治体によって見解が異なるでしょう。

2015年頃までに数件の問い合わせを受けましたが、いずれもツリーハウスは課税対象とされませんでした。(たまたまかも知れません…)

課税対象になるかどうかは、以下の要因が影響してくると思います。

使用用途

ツリーハウスが遊び場や遊具のように使用される場合には、住宅としてみなされず課税されないことがあるでしょう。

しかし、居住用の住宅として使用され、前記三要件にも適合しているなら固定資産税の対象となる可能性があります。

規模や価値

住宅同様の広さのツリーハウスだったり、高価な建材を使い価値が高い建物と判断されると課税対象になる可能性があります。

「樹木に一部でも建物が由来していれば課税を逃れられる…」というのは間違いです。

土地や建設の規制

ツリーハウスを建てる土地の用途規制、建設法規制に適合しているかどうかも、固定資産税課税に影響がでます。

明らかに違法建築のツリーハウスには課税されず、撤去や是正を求められるでしょう。

ツリーハウスの扱いは地域や土地によって異なり、市町村のルールに従う必要があります。

建築確認申請しなければ課税されない…?

都市計画区域外で山林であっても、工事届けが必要になることが…

建築確認申請をしなければ課税されないんじゃないの?

という質問を受けます。

建築確認申請が不要な場所や建物でも固定資産税はかかります。

小さくても建物として使用できて上記の3要件を満たし資産価値が認められれば、それに応じて課税対象となります。

水道を使用するなら

公共の上下水道を使用する予定があるなら、原則的に建築確認が必要です。

水道料金は市町村から請求されることがほとんどです。

利用するには建築確認申請を求められることが多いです。

都市計画区域外では建築工事届けが必要に

小屋でも必要になる可能性がある「工事届け」

都市計画区域外は建築確認申請が不要になることがあります。

それでも床面積が10m2を超える建築物を作る場合は「工事届け」が必要になります。

「工事届け」は市町村によりますが、付近の配置図や見取り図、建築物の平面図・立面図・断面図などの図面、仕上げがわかる仕様書などが必要になります。

納税と建築確認

税金に関することは、税務署や市町村役場の納税課などの管轄です。

担当者は毎年度、航空写真等で建物や建築物の存在を確認して、課税対象となりうる固定資産を調査しています。

一方で、建築確認申請は建築課などで受理され、都市計画や防火に沿って建築計画されているかを確認しています。

つまり、納税と建築確認は部署が異なり別々の業務をしているのです。

ちなみに建物の固定資産税は評価額の1.4%で、市区町村により都市計画税0.3%を課税されることがあります。

建ててはいけないことも…

課税されるかどうか?以前に、そもそも小屋を建ててはいけない場所もあります。

小屋であっても「建築が不可」とされる用途地域です。

都市計画や土地利用規制において「建築不可地域」「非建築地域」として知られています。

特別な許可や免除が無い限り、小さな小屋でも建築が認められません。

建築不可地域

これらは建築不可の用途地域です。

自然保護地域

自然環境や生態系を保護するために指定されます。

建物の建設が禁止されたり、例外でも建築は非常に制限的です。

洪水原地域

河川や湖沼の近くや低地など、洪水のリスクが高い地域に建物を建てることが制限されていることがあります。

地滑り地域

軟弱な土質だったり地盤が不安定な地域では、建物建設が危険なので制約があったりします。

農業用地

農地法で建築が制限されることや、農業用地として指定された土地に建物を建設することが制限されることがあります。

歴史的保護地域

歴史的な価値のある地域や建物、街なみの保存のために、建物の建設が許可されないことがあります。

保護地域一帯が建築不可ということもあります。

公共施設や緑地

公共の用途、公園、緑地、道路、鉄道などの公共施設のために予約された土地があります。

それらの地域では建築が制限されたりします。

固定資産税の扱い方は市町村の判断

固定資産とは、土地、家屋、償却資産に分かれます。

固定資産は土地、家屋、償却資産に分かれます。

家屋の中には「住宅」「店舗」「倉庫」「その他の建物」があり、一般的に小屋は家屋として固定資産税の対象となります。

一方、償却資産とは、「機械装置」「工具器具」「船舶航空機」などの事業用資産を指します。

税法上、減価償却対象の資産です。

小屋は償却資産として課税される?

これまでキットで小屋を建てていただいたユーザーからは、「家屋として」「償却資産として」課税されたという両方の体験談をお聞きしました。

課税を判断する市町村によって見解が異なります。

キットハウス販売の相談でお聞きした範囲では、家屋ではなく償却資産として課税されることが多かったです。

これは、税金を払わなくて済む課税標準額の免税点が影響していると思います。

「土地30万円・家屋20万円・償却資産150万円」未満ですと課税されません。

償却資産だけは額が大きく、20~150万円の価値がある小屋は課税種類の判断で対応が変わります。

免税点未満の資産でも申告が必要です。

固定資産税の取り扱いは各市町村によって見解が変わりますので、よく調べておく必要がありますね。

小さな小屋でも課税ルールに従おう

固定資産税は課税ルールに従おう

「すぐに移動可能に…」とか「基礎部分をトレーラーハウスのように加工する…」など税金課税を回避するために色々と計画をする方がいます。

そのような行為はご近所から褒められた事として見られません。

三坪程度でしたら小屋の固定資産税はそれほど高額にならないと思います。

支払う方としては負担を抑えたいのですが、地方行政の貴重な財源でもあります。

小屋に課税される固定資産税について、市町村のルールに従うように計画をたてた方が良いと思います。

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